2007/9/14 金曜日...6:37 PM

東アジアでSuicaが使えるようにかも
東アジア共通ICカード 実用化へ実証実験

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日本経済新聞2007年9月11日夕刊3面によると、国土交通省は東アジア地域の交通機関と宿泊施設、飲食店などで利用できる共通ICカード乗車券の実用化に乗り出すそうだ。

東アジア地域の主要都市(北京、上海、ソウル、釜山、シンガポール、バンコクなど)では地下鉄やバスなどの公共交通機関でICカード乗車券が既に導入されている。
国交省は、各国に参加を呼びかけ、来年度をめどに複数の主要都市で実証実験を実施する。

記事によると、有識者や金融機関、メーカーなどが参加する官民の検討委員会を9月13日に設置*1し、各国で使われているICカード乗車券を相互利用できるように官民連携でシステムの開発を計る。

国交省所管の国土交通政策研究所では、平成14年度から「東アジア地域における交通系共通ICカードの導入」について研究を行ってきた。
すでに、札幌市営地下鉄、シンガポール地下鉄、香港地下鉄の3事業者が協力して、札幌=シンガポール、札幌=香港の2種類のメモリ分割方式による共通ICカードの実地における動作検証を、2003年11月から2004年1月まで実証実験を行った。

今回の実証実験の課題

今回の実証実験では、異なるICカード規格間の相互接続と決済の方法、セキュリティが課題なるだろう。

異なるICカード規格間の相互接続

2003年の実証実験を行った香港、シンガポールのICカード乗車券はともソニーが開発したFeliCaを採用しており、規格*2が同じであった。
しかし、北京、上海、ソウル、釜山は「MiFare」*3という異なる規格のICカードを採用しており、異なる規格をどのように互換性をもたせるかが課題となる。
双方の規格に対応した読み取り機を新たに開発して設置する方法は初期コストがかかり、各国の事業者に負担がかかるので、厳しいのではないか。
読み取り機のプログラムを変更するだけならいいが、、、

決済の方法

2003年の実証実験ではメモリ分割方式を採用したため、為替の問題は起きなかった。
しかし、それぞれの都市でそれぞれの通貨をチャージする必要があり、不便であった。

どの国に行っても、現地通貨を使わず1枚のICカードで用を足すことができることを理想とするならば、前払い方式(プリペイド方式)は難しいだろう。
となると、オートチャージ方式やポストペイド方式が考えられる。
オートチャージ方式やポストペイド方式の場合、クレジットカード会社などを通した口座引き落としになる。為替手数料などのコストも発生するが、為替決済はカード会社が行うので、現地通貨をチャージする必要がなくなる。

海外からの旅行者の利便性を考えると、ポストペイド方式のICカード乗車券を即時に発行できるしくみを構築する必要があるのでないだろうか。
与信の問題があるため、今のポストペイド型電子マネーは発行に時間がかかる。与信の問題をクリアして即時発行が可能になれば、海外からの旅行者の利便性は格段にアップするだろう。
スルッとKASNSAIのPiTaPaが参考になる。

セキュリティ

ICカード内の情報を不正に読み取ったり、改変されないか心配である。
とくに中国。
リスクをカバーするために保険料がかかり、そのコストが利用者の手数料、運賃として跳ね返ってこないか心配である。

そもそもそこまで利便性を高める必要があるのか、税金の無駄遣いという指摘もできる。
ただ、海外からの旅行者の利便性が向上し、訪日外国人旅行者が増えるのであればいいのかなとも思う。

日経の記事には、台湾や台北という文字が出てこなかった。
国交省の発表資料にもとづいて記事を書いているはずだ。
国交省が意図的に台湾を外しているのならば問題である。
台北にはTypeA規格を採用した悠遊カードが導入されており、また台湾からの訪日旅行者数の多さを考えれば、ぜひ台北も含めた実証実験を行ってほしい。
国交省の官僚が中国の態度を気にして台湾を除いているとしたら、言語道断である。

*1 9月14日現在、国交省のホームページに検討委員会設置についての記載はまだない。
産経新聞http://www.sankei.co.jp/seikatsu/seikatsu/070913/skt070913000.htmによると、13日に委員会の初会合が開かれたようだ。

*2 非接触式ICカードは、TypeA、TypeB、TypeCの三種類がある。TypeCはFeliCaを指し、日本ではほとんどの事業者がこの規格を採用している。

*3 「MiFare」はロイヤルフィリップスエレクトロニクスが開発したTypeA方式の非接触式ICカードの登録商標

参考
国土交通政策研究所
『ポストペイ交通ICカードの即時発行に関する研究 ~交通ICカードの複数通貨決済への対応について~』
http://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/kkk69.html『東アジアにおける交通系共通ICカード導入に関する研究』
http://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/kkk52.html

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