2008/6/7 土曜日...5:39 PM

Suica開発者・椎橋章夫氏講演会 @埼玉大学 (下)~Suicaウォッチはすでに完成~

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6月5日に埼玉大学で開かれた、Suica開発者・椎橋章夫氏の講演会に参加してきました。
「IC乗車券 ”Suica”の開発と展開戦略」― 新たな社会インフラ創造への挑戦 ―」と題されて、行われたものです。

前回は、Suica導入へのプロセスについて記載しました。
Suica開発者・椎橋章夫氏講演会 @埼玉大学 (中)~リーダライタの傾斜は13度~

今回は、Suicaの今後の展開について書こうと思います。

Suicaウォッチはすでに完成

JR東日本は、Suicaペンギンを使った商品展開に成功していますが、Suicaウォッチなるものがすでに完成しているそうです。

Suicaウオッチは、香港のオクトパス運営会社がミレニアムを記念してつくった腕時計型のオクトパスを参考にして開発がされたものです。

時計の中にFeliCaチップが埋め込まれているそうです。

すでに実用化にめどがついており、どのタイミングで導入するのか検討中だそうです。
限定商品として販売されるとなるとプレミアムがつきそうです。
どうやってチャージするのかなぞですが。

出札プロセスの革新はまだまだつづく

最新のサービスである「モバイルSuica特急券」では、自分で切符を買い、自分で決済をし、自分で列車にのることができます。駅員がいなくても、これらの行為ができるようになりました。

人やモノを運ぶという鉄道事業(1872年の新橋横浜間の鉄道開業以来かわらない。)の一部門である、改札部門の改革が、結果として出札プロセスの革新につながったと氏は指摘します。

出札プロセスの変化に伴い、改札機の機能はどんどん進化しています。
オートチャージまでできるようになりましたが、新しいサービスとして導入が検討されているのが、オンライン予約サービスだそうです。

インターネット上で定期券購入やチャージの予約をすると、期限内に書き込み指定駅の改札機を通過すると、定期券情報の書き込みやチャージを行われるサービスです。

同様のサービスは、ロンドンのオイスターカード(Oyster Card)で導入されています。https://oyster.tfl.gov.uk/oyster/entry.do
予約時に書き込みする駅や期限、金額をして、期限内に指定駅の改札機にオイスターをタッチすれば希望金額がチャージされる仕組みです。

Suicaポイントクラブの一般化

現在、Suicaポイントを貯めるには、モバイルSuica会員、「ビュー・スイカ」カード会員、Type II カード会員で、かつSuicaポイントクラブに入会しなくてはなりません。

なぜ、上記会員に限定されるのでしょうか。

椎橋氏は、ポイント還元する機械がないため会員制をとらざるをえないと発言しました。

クレジットカードには駅のATM「ビュー・アルッテ」、モバイルSuicaにはおサイフケータイがあるので、ポイント還元システムを導入できたそうです。

全ユーザーを対象にするには、ポイント還元する機械のシステムを構築する必要があり、現在開発中だそうです。
いずれ、全ユーザーに開放することは決定しているようです。

会員制の裏には、JR東日本のロイヤルカスタマーの囲い込み戦略の側面もあるとは思います。
ポイント還元が券売機、改札機または専用機でできるようになるのかわかりませんが、全ユーザーへの開放を期待しています。

究極の技術は、人体通信

タッチせずに改札機を通過できる技術が研究中だそうです。
その技術は、人間に微弱な電流を流すことで行われる人体通信を応用したものだそうです。

自動改札機が設置されている床に、カーペット状の電極を置き、「Suicaにあたるもの」を持った人が上を通過すると、微弱電流が体内に流れ、データのやり取りが完了する仕組みです。

技術的には完成しているようですが、実用化にはまだ時間がかかるとのことです。
・「Suicaにあたるもの」が大きすぎるため、持ち運べない。(椎橋氏のジェスチャーからはティッシュ箱1箱強の大きさに見えた)
・改札機を通りぬける前に引き返した場合の対応が難しい。

いろいろな課題はあるそうですが、いくつもの失敗を乗り越えてSuicaを成功させたように、タッチせずに改札機を通過できるシステムを実用化してほしいです。

以上3回にわたって、Suicaの開発者・椎橋章夫氏の講演内容をレポートしました。
Suicaサービスがさらに便利になるように期待したいです。


大学生向けの講演会とあって、Suica開発の経験を踏まえた人生論的なお話もありました。

「Suicaは失敗の歴史」。
お客さまによい(便利)ものを提供したい、ひいては社会によい(便利)ものを提供したいという信念のもと、数々の困難にぶつかりながらもSuica開発に没頭した椎橋氏の情熱に感動しました。

話はすこしずれてしまいましたが、Suica開発者の生の声が聞けて、有意義な時間を過ごすことができました。

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