Entries from 7 月 2008

2008/7/26 土曜日

金沢のICカード乗車券・電子マネー事情5 〜ICaを使ったまちづくり〜

先日、金沢を訪れる機会がありましたので、金沢のICカード乗車券・電子マネー事情についてレポートしたいと思います。
北陸鉄道のバス等で利用できるICカード乗車券「ICa(アイカ)」は、単なる交通利用の枠を超え、金沢の新しいまちづくりを構築する上での一つのツールとなっています。
金沢は北陸の中心都市であり、優良な観光スポットが充実しています。

駅前は北陸新幹線開通をにらむ土地区画整理事業、再開発により近代的な建物(おもてなしドーム、金沢フォーラスなど)が建ち並びます。

中心部には、加賀百万石の歴史を残す兼六園や茶屋街などの古い街並が残る一方で、2004年オープンした金沢21世紀美術館は現代アートを発信するスポットとなっています。
このような魅力的なスポットがあるため、他の地方都市のような寂れた様子(駅前商店街のシャッター通り化など)はありません。
金沢市は、都市形成過程に伴う特有の交通問題を抱えています。
他の地方都市同様、公共交通機関(バス、北陸鉄道石川線・浅野川線)の利用者数は減少傾向にある一方で、マイカーの利用が増加傾向にあります。(金沢市交通まちづくり計画より)

非戦災都市である金沢は戦前(江戸時代)からの町並みが残っており、趣のあるまちなみが、観光都市としての魅力の一つとなっています。
一方で、このことが道路拡張拡幅等の交通基盤整備を難しくしています。
細い道も多く残り、交通集中による渋滞も問題になっています。
交通機関の充実させたいところですが、北陸鉄道の石川線・浅野川線は中心部を通らない上、連絡しておらず、使いづらいのが現状です。(乗り継ぐにはJR北陸本線を使う必要あり)
地方都市やヨーロッパの都市で見かける路面電車(LRT)を中心部に導入したくても、導入空間は上記理由により、ありません。地下の利用は多額の費用がかかり、現実的ではありません。

(おもてなしドームの地下に、将来、新交通システムを導入できるようにスペースを確保しているようです。)
以上のことを考えると、路線バスやコミュニティーバスの活用、充実が現実的です。
中心部の循環バス(金沢ふらっとバス、兼六園シャトルなど)や環状バスの運行が始まっています。
バスをはじめとする公共交通機関の利用促進を図るため、ICaを使った公共交通活性化事業が始まりました。
ICaを使ったまちづくり
金沢では、2005年5月より、国土交通省北陸信越運輸局と金沢市が中心となって「金沢都市圏におけるITを活用した総合的な交通システムに関する検討会」(座長 高山純一金沢大学大学院教授)が設置されました。
①バス乗車ポイントシステムの導入、②バスと商店街等の連携システムの構築、③カーシェアリングシステムの導入の検討されてきました。
検討の結果が、現在のICa ECO POINT(エコポイント)の基礎となり、カーシェアが金沢に導入されることになりました。
交通問題や環境問題の解決、中心市街地活性化を促す一つの手段として、北陸鉄道が導入しているICaを活用することになったのです。
FeliCa(ICaはFeliCa)のもつ多機能を活用することで、新しいまちづくりを行い、マイカー社会に変わる交通社会を形成し、「まち」の求心力を向上させます。
カーシェアの会員認識カードとしてICaを利用することでバスとの連携をアピールでき、カーシェアを新しい交通機関として認知させ、マイカーからの利用転換を図ります。
また、ポイントカード(エコポイント)としてICaを利用することで、カーシェアやバス利用を促し、中心部で買い物をしてもらうことで中心市街地の活性化を図ります。
結果的に、近頃関心の高いCO2の削減につながるわけです。
こう考えると、FeliCaのもつ機能というのはポテンシャルが高いといえます。ICカードを媒介に、まちづくりをしていくことが、21世紀のまちづくりのひとつの姿なのかも知れません。
課題としてはJRとの連携でしょうか。
現状ではJR北陸本線やJRバスではICaは利用できません。 金沢都市圏(例えば、東金沢、金沢、西金沢のみとか)に限り、ICaを導入するのはありだと思うのですが、、、
ここにICOCAはありなのか、、、
ポイントプログラムやプレミアサービスがハードルを高くしている?
参考文献
http://www.llc-yamori.jp/project_carshareing.html
http://www.car-share.biz/
金沢市

2008/7/25 金曜日

金沢のICカード乗車券・電子マネー事情4 〜ICaを使ったカーシェアリング「カーシェア金沢」〜

先日、金沢を訪れる機会がありましたので、金沢のICカード乗車券・電子マネー事情についてレポートしたいと思います。
今回は、カーシェア金沢について取り上げます。
カーシェアリングとは
カーシェアリングとは、少数の車を複数の人で共同利用する会員制のシステムです。
使いたい時間を予約して、近くのステーションにある車に乗って返すだけです。
1980年代後半に交通問題解消と環境保護の一環としてスイスで考案され、ヨーロッパを中心に新しい公共交通システムとして位置づけられています。
日本ではレンタカー会社が中心となって社会実験を開始し、現在では横浜市や京都市、札幌市などで導入されています。
カーシェア金沢の概要
2006年11月からカーシェアリングシステムの実証実験が国の補助を受けてはじまり、3ヶ月後から事業化されました。
カーシェア金沢は、オリックスグループの協力のもと、建材商社の辻商事と石油製品販売などの北星産業などが共同運営しています。 現在、6カ所のステーションがあり、スズキワゴンRなどを利用できます。

(金沢駅東口ステーション。金沢駅東口の立体駐車場ヴィサージュの1階にステーションがある)
利用方法 〜ICaを使ったシステム〜
カーシェアを利用するには、事前に会員登録が必要です。
入会時に必要になるのが、ICaです。
車両のドアロック、開錠する際に、ICaがキーの役割をするためです。
ICaを持っていない人は、新たに買う必要があります。
説明会を受講した後、利用可能になります。
パソコンや携帯サイト、電話でステーションや、利用時間、車種を予約します。
当日の予約時間になったら、ステーションに行きます。
ICaを使って個人認証と車のドアロックの解錠を行います。
グローブボックス内にキーがありますので、[貸出し]に回して抜きます。
通常にの車同様に運転をします。
利用時間内の駐車時のドアの開閉は、キーで行います。
ステーションに戻ったら、キーをキーボックスに差して[返却]に回します。
車から出たら、再びICaでドアをロックします。

(車の右手後方にあるリーダ。ここにICaをかざすことで認証が行われる。風雨の影響か、ICaのデザインのシールが白くなっている。)
個人の場合、利用登録手数料が9800円、ベーシックプランの場合月額基本料が980円、貸渡料金は15分につき280円、1㎞につき14円かかります。
利用料金は、1ヶ月ごとに利用時間、走行距離から算出されます。
エコポイントがたまる
カーシェア金沢の会員になり、カーシェアを利用すると、毎月の利用金額に応じてポイントがたまります。(5000円単位で50ポイント) カーシェア会員向けポイント券は、北陸鉄道の主要サービスセンターへ持参するとICaに加算してくれます。

環境に良いカーシェアですが、問題もあります。
いったいどれだけの人がカーシェアを認知しているのでしょうか。 交通エコロジー・モビリティ財団によると、2008年1月現在、カーシェア金沢の会員数は50人。
「車一台につき会員十人というのが採算ライン。」(北星産業の担当者:中日新聞電子版2007年6月15日「金沢・野々市のカーシェアリング  安さ、手軽さPRの“両輪”」)だそうで、8台を保有しているので、カーシェアの採算は取れていないのが現状でしょう。
ロングスパンで見る必要があるでしょうが、金沢市民にカーシェアが根付くのは時間がかかりそうです。
個人より、役所や地元企業の車の切り替えなどが有効な手段かも知れません。
カーシェアはメリットの多い事業なので、じっくり育てて欲しいものです。
次回は、金沢の電子マネー・ICカード乗車券事情についてまとめたいと思います。

2008/7/24 木曜日

金沢のICカード乗車券・電子マネー事情3 〜ICa ECO POINT(エコポイント)〜

先日、金沢を訪れる機会がありましたので、金沢のICカード乗車券・電子マネー事情についてレポートしたいと思います。
今回は、ICa使ったサービス「ICa ECO POINT(エコポイント)」について取り上げます。
ICa ECO POINT(エコポイント)とは、マイカーから公共機関への利用転換に伴うCO2の削減や中心市街地活性化を目的として、2007年2月1日から始まったサービスです。
リリース
バス利用や金沢の中心街での買い物などによりポイントを貯めると、バス運賃に還元できるシステムです。
エコポイント対応カードへの更新
2007年1月31日以前に購入したICaはエコポイントに対応していません。
ICa取扱窓口での更新手続きまたは、ポイント端末設置場所でのポイント加算が必要がです。
エコポイントをためる
エコポイント貯めるには以下の3つの方法があります。
バスでためる

ICaを利用してバスに乗ると、100円につき1ポイントたまります。
また、ICa定期券を購入すると定期券運賃100円につき1ポイントたまります。

(ICaリーダでポイントが確認できる。上から4列目の「残ポイント」)
買い物でためる
当日バスで来街し、香林坊地区、武蔵地区の商業施設や商店街などの加盟店ステッカーがはってあるお店でICaを提示し、2000円以上買い物をすると、20ポイント券がもらえます。

(片町商店街にあった紳士洋品店「金港堂」)
ポイント券をポイント端末設置場所に提出するとICaにポイントがたまります。
ポイント端末設置場所は、香林坊大和やめいてつ・エムザ、北陸鉄道のサービスカウンターなどです。

(香林坊大和の案内カウンター。エコポイント券をエコポイントに加算できる。)
カーシェアリングでためる
カーシェア金沢の会員になり、カーシェアを利用すると、毎月の利用金額に応じてポイントがたまります。(5000円単位で50ポイント)

カーシェア会員向けポイント券は、北陸鉄道の主要サービスセンターへ持参するとICaに加算してくれます。
カーシェア金沢については次回取り上げます。
エコポイントを使う
エコポイントが100ポイント以上になると、ICaへチャージする時や、次回ICa定期券を購入するときに、自動的に100ポイント単位で、SF(バス運賃)に還元されます。100ポイント=100円
バス車内や自動チャージ機でも対応しています。

エコポイント事業は、経済産業省の外郭団体である独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の協力の下、展開されています。
中心市街地活性化するために、バス利用を促すエコポイントはひとつのアイディとして面白いとおもいます。
環境の面からもいいですしね。
利用者がどのくらいいるのかわかりませんが、
バスを利用するだけで勝手にポイントはたまりますから、知らず知らずに参加している人も多いのではないでしょうか。
チャージ時にプレミアもつきますから、ICaはお得ですね。(SuicaやPASMOでは考えられない、、、)
買い物についても、見せるだけでポイント券がもらえますから、知っている人はうまく利用しているのではないでしょうか。
気になるのはカーシェアですね。
次回はカーシェア金沢について取り上げ、金沢の電子マネー・ICカード乗車券事情についてまとめたいと思います。

2008/7/24 木曜日

金沢のICカード乗車券・電子マネー事情2 〜北陸鉄道の「ICa(アイカ)」〜

先日、金沢を訪れる機会がありましたので、金沢のICカード乗車券・電子マネー事情についてレポートしたいと思います。
今回は、北陸鉄道の「ICa(アイカ)」を取り上げます。
北陸鉄道は金沢を中心に鉄道路線とバス路線を有している中小私鉄です。

ICaは北陸鉄道が2004年により導入したICカード乗車券です。
プリペイドタイプと定期タイプがあります。
カードにはSuicaやPASMOと同じ、FeliCaを導入しています。
鉄道とバスに導入されていますが、
鉄道は鶴来駅、野町駅、内灘駅、北鉄金沢駅においてICa(アイカ)定期のみ利用可能になっています。他の駅では駅員に券面を見せることになっています。

(北鉄金沢駅の様子。有人改札に専用リーダがおいてある。 奥には井の頭線の車両が停車中)
バスは、北陸鉄道、加賀白山バス、北鉄金沢中央バス、ほくてつバス、金沢ふらっとバスなど、ステッカーが貼ってある金沢地区全路線バスで利用可能です。

金沢駅~小松空港行きの高速バスでもご覧のようにICa(アイカ)が使用できます。
ICaの使い方
バスでのICaの使い方はカンタン。
乗車時と降車時にリーダーにタッチするだけです。
タッチすると画面に運賃、残額、ポイントなどが表示されます。

チャージはバス車内、取扱窓口、自動入金(積み増し)機で可能です。

(金沢駅にある案内所では、ICaの購入やチャージができる)
おとくなサービス
ICa(アイカ)の特徴として、お得なプレミアサービスがあります。
これはカードに入金するたびに10%のプレミアがつきます。
これは1000円入金して乗車可能金額が1100円となります。
さらに30分以内の乗り継ぎなら乗り継いだバスの降車時に30円割引となります。
まとめ
紙製のバス回数券の代替としてICaを導入したためか、バスを利用する際にICa(アイカ)を使用していた人が比較的多い印象を受けました。
バス回数券の割引制度の後継制度としての10%のプレミアムサービスや、ICカードのメリットをいかした乗り継ぎ割引など、魅力的なサービスも利用を後押ししているのかもしれません。
あとは金沢という都市の成り立ちも関係しているでしょう。
京都同様、非戦災都市である金沢は戦前からの町並みが残っているため、細い道が多く残っています。地方都市で見かける路面電車(LRT)を導入する空間がないため、バスが住民の足となっています。
バスの需要が多いことも、ICa普及の後押しになったと考えられます。
次回は、ICa使ったサービス「ICa ECO POINT(エコポイント)」について取り上げます。

土日祝日に運行される「兼六園シャトル」は金沢の主な名所を巡る循環バス。観光に最適です。ICaも使えます。

2008/7/22 火曜日

金沢のICカード乗車券・電子マネー事情1

先日、金沢を訪れる機会がありましたので、金沢のICカード乗車券・電子マネー事情についてレポートしたいと思います。

金沢を地盤とする北陸鉄道は、独自のICカード乗車券「ICa(アイカ)」を、鉄道やバスに導入しています。
電子マネーの普及についてですが、おもなところでは、小松空港でEdy、「めいてつ・エムザ」ではEdy、iDが利用できます。

また、市内を走る一部のタクシー(大和タクシー)はiDに対応していました。

買い物決済の電子マネーとなるとあまり普及していないのが現状のようです。「めいてつ・エムザ」ではEdyやiDが利用できますが、その他の大型店舗や小売店では電子マネーの普及はまだまだな感が否めませんでした。
ただし、コンビニでは利用できます。 金沢駅前のサンクスに入ったら、Edy決済をしている人が多くびっくりしました。 たまたまでしょうが、シャリーンが頻繁に聞こえて来ました。
地方都市が電子マネーに対応していくのか、今後の展開に期待したいと思います。
次回は、北陸鉄道が導入している「ICa(アイカ)」について取り上げます。