2008/8/21 木曜日...10:54 PM
富山のICカード乗車券事情5 ~公共交通を活かしたコンパクトなまちづくり~
今回は、地方都市の一つのモデルを全国に示している、富山のまちづくりにせまります。
富山は一世帯当たりの乗用車保有が高く、自動車交通に依存しています。(全国第2位)
鉄軌道やバス等の公共交通機関の利用者は減少し、さらに公共交通の衰退を招くという悪循環に陥っています。
自動車を利用できない高齢者等にとっては、生活しづらい街となっています。
また、総曲輪地区等の中心商業地の空洞化も問題となっていました。
富山市では、これらの課題に対応するため、鉄軌道をはじめとする公共交通を活性化させ、その沿線に居住、商業、業務、文化等の都市の諸機能を集積させることにより、公共交通を軸とした拠点集中型の「コンパクトなまちづくり」の実現を推進し、様々な施策を行なっています。
具体的には、富山駅を中心に放射状に伸びる鉄軌道や幹線バス路線の各駅を拠点に街を整備していきます。
公共交通の活性化
富山は、鉄軌道網が比較的充実しており、恵まれている環境にあります。
富山市では「富山市総合的交通体系マスタープラン(H16)」や「富山市公共交通活性化計画(H18)」などを策定し、既存の公共交通網を活かしたコンパクトなまちづくりを推進しています。
JR富山港線の路面電車化(富山ライトレール)やまいどはやバス・フィーダーバスをはじめとするコミュニティーバスの運行等に対する行政の支援はすでに実施されています。
また、富山ライトレールに続く第2の鉄軌道活性化事業として、2006年10月21日よりJR高山本線活性化社会実験を実施しています。
JR高山本線(富山〜越中八尾〜猪谷)は利用者の減少が運行本数の減少を招き、さらに利用者の減少を招くという悪循環に陥っていましたが、行政支援による増便を行なった結果、利用者が増加に転じているようです。
2008年3月15日からは第2フェーズに入り、富山〜越中八尾間に実験区間を絞りこんで増便を行なっているほか、臨時駅婦中鵜坂駅が開業しました。
各駅に無料の駐車場や駐輪場を設置することで、パークアンドライドを奨励したり、各駅接続のフィーダーバスも運行されています。
LRTネットワークの形成も予定されています。
2009年開業を目標とした、富山地方鉄道の市内軌道線の環状化(丸の内→西町)が事業化されています。
市が建設と車両の保有、富山地方鉄道が運行を行なう上下分離方式が採用される予定です。
また、北陸新幹線開業(2014年度予定)による富山駅周辺の連続立体交差事業に伴い、駅北の富山ライトレールと駅南の富山地方鉄道の市内線(路面電車)の接続を計画しています。
さらに、2008年5月、富山地方鉄道上滝線のLRT化の検討と市内軌道線との直通運転構想が富山市の森市長によって示唆されています。
とくに、富山ライトレールと市内軌道線の接続は、富山駅北部と南側にある富山市の中心部との利便性向上が期待されています。
中心商業地の活性化
2006年3月には総曲輪商店街東端にあった西武富山店が閉店するなど、富山市中心商業地の衰退も問題となっています。(西武富山店跡地は建物そのまま残っていました)
富山市は、中心市街地活性化基本計画を策定し、国の第一号認定を受け補助金が受けられるようになりました。http://www.city.toyama.toyama.jp/division/toshiseibi/cyuushinshigai/index.htm
中心市街地に人を呼び戻そうと、官民一体で様々な取り組みを行っています。
まちづくりとやま
「ICカードポイント社会実験」をはじめ、中心市街地活性化のために数多くの事業を展開しているのが、富山市や富山商工会議所、商店街組合などが出資し設立された、株式会社まちづくりとやまです。
コミュニティバス「まいどはやバス」を運行させたり、コミュニティ施設「街なかサロン“樹の子”」を開設しています。
総曲輪地区の再開発
2007年9月21日、富山市の中心街・総曲輪地区に再開発複合商業施設「総曲輪フェリオ」がオープン。
百貨店の大和富山店が移転し、入居しています。 イベントスペースであるグランドプラザが隣接しています。
これらの事業、プランをつないでいるのがpasscaです。
次回はpasscaの問題点と今後について考えます。
連載記事
富山のICカード乗車券事情6 ~passcaが繋ぐ活性化施策と問題~
富山のICカード乗車券事情5 ~公共交通を活かしたコンパクトなまちづくり~
富山のICカード乗車券事情4 ~広がるpasscaの利用方法~
富山のICカード乗車券事情3 ~ポートラム乗車・passca体験記~
富山のICカード乗車券事情2 ~富山ライトレール「passca(パスカ)」とは~
富山のICカード乗車券事情1 ~富山ライトレールとは~
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