日銀は8月22日に、電子マネーに関する調査結果を初めて公表しました。
今年2月に日銀が電子マネーに関する統計を公表することが報道されていました。(日銀が電子マネー統計を年内に発表へ)
リリース
最近の電子マネーの動向について
今回、調査対象となった電子マネーは、「Edy」、「Suica」、「ICOCA」、「PASMO」、「nanaco」、「WAON」の6規格。
これら主要6規格の電子マネーの集計値を日本銀行決済機構局がまとめ、調査結果が公表されました。
発行枚数
(万枚)
携帯電話搭載分
(万枚)
端末台数
(万台)
2007年9月末
6,649
767
24.7
2008年3月末
8,061
942
35.8
2008年6月末
8,761
1011
37.1
電子マネー発行枚数、決済端末数は依然増加しています。
おサイフケータイ搭載の電子マネーは、全体の1割強の割合で推移しています。
月間決済件数
(万件)
月間決済金額
(億円)
一件当たりの決済額
(円)
2007年9月
7,200
483
671
2008年3月
8,100
582
720
2008年6月
8,700
657
753
電子マネーの決済件数や決済額、一件当たりの決済額も増えています。
2007年度の一件当たりの決済額は696円だそうです。
データから言えることは、カード一枚当たりの平均利用状況は、月に1.0回、750円使われている計算になります。(2008年6月中)
決済金額は増えても、カード一枚当たりの月間利用回数は1.0回程度でほとんど変わりません。
レポートの中でも指摘されているように、
発行済み電子マネーのなかには、退蔵・休眠状態にあるカードは少なくないとみられるため、これらを除いたアクティブなカード1枚あたりの決済金額は、この数倍の利用状況にあるものと推察され
ます。
発行残高(億円)
2007年9月
643
2008年3月
771
一枚当たりの残高は1000円弱の計算になります。
退蔵・休眠状態にあるカードがマイナス方向に引っ張っていると思うので、アクティブなカードの残高は、レポートの指摘通り、数倍規模だと思われます。
とはいえ、限度額(50000円や20000円、29999円)から考えると、一枚当たりの残高は少ないですね。
レポートでも触れられているように、必要最低限しかチャージしない利用者の節約心理があると思われます。
交通系(SuicaPASMOICOCA)の場合、交通利用分と電子マネー利用分が合算になっており、純粋に電子マネーとして利用しようと思っている額というのはさらに減るのではないでしょうか。
ただし、流通系の方が、決済金額が相対的に大きい傾向にあるようです。
レポートでは、他の決済手段との比較もされています。
2008年3月末の電子マネーの発行残高は、硬貨流通高の1.7%、紙幣発行高の0.1%となっており、まだまだ小さいのが現状です。
とはいえ、50円以下の小額硬貨の流通高が減ってきており、電子マネーの普及が小額硬貨の流通高の減少になにかしらの影響を与えている可能性があると指摘しています。
(小額硬貨の流通枚数、減少傾向)
クレジットカードと比較すると、決済件数はクレジットカードの3分の1(2005年度 7,292百万件)にすぎません。
また、クレジットカードの1件当たりの利用金額は約12000円(2005年度)で、電子マネーの696円と大きな開きがでています。
決済手段のすみわけができていると考えられますが、ポストペイ電子マネーが出現していますので、クレジットカードの小額決済市場にも利用用途を広げつつあります。
日本経済新聞2008年8月22日によると、
今後も年に一、二回程度、電子マネーについて調査結果を公表する方針だ
そうです。
発行残高や決済額からみると電子マネーはまだまだ小さいですが、近年の普及具合を見る限り、小口決済の一手段としての地位を固めつつあるのかなという気がします。